毎年この時期になると、くしゃみ・鼻水・目のかゆみ…花粉症に悩まされる方は本当に多いですよね。日本人の約2人に1人がスギ花粉症とも言われており、もはや国民病です。
薬を飲んで症状を抑えるのはもちろん大事ですが、今日は「そもそも体の中の栄養状態が花粉症に関係しているかもしれない」という話をしたいと思います。
亜鉛とアレルギー反応の意外な関係
亜鉛はミネラルの中でも特に重要な栄養素で、免疫機能・皮膚の再生・味覚・ホルモン分泌など300種類以上の酵素反応に関わっています。
そして実は、血中の亜鉛濃度とアレルギー反応には密接な関係があることが研究で明らかになっています。
アレルギー反応の引き金となるのが「IgE(免疫グロブリンE)」という物質です。花粉症・アトピー・喘息などのアレルギー性疾患では、このIgEが過剰に働くことで症状が起きます。
研究によると、血清亜鉛値とIgEレベルは有意に反比例することがわかっています。つまり亜鉛が少ないほど、アレルギー反応が強くなりやすいということです。
なぜ亜鉛が不足するとアレルギーが悪化するのか?
理由は大きく2つあります。
ひとつは「炎症を抑える力が落ちるから」です。体内の炎症を抑えるには、活性酸素を除去する酵素(SOD)が必要なのですが、この酵素を作るのに亜鉛が不可欠です。亜鉛が不足するとSODがうまく機能せず、鼻の炎症が長引きやすくなります。
もうひとつは「肥満細胞(マスト細胞)が不安定になるから」です。亜鉛は肥満細胞の細胞膜を安定化させる働きがあります。亜鉛が足りないと肥満細胞から炎症物質(ヒスタミンなど)が出やすくなり、くしゃみや鼻水が止まらない状態を招きます。
現代人は亜鉛が不足しやすい
実は現代の食生活では、亜鉛は慢性的に不足しやすい栄養素のひとつです。加工食品に含まれる添加物(ポリリン酸など)が亜鉛の吸収を妨げたり、激しい運動・ストレス・飲酒によって消費量が増えたりするためです。
トレーニングをしている方は特に注意が必要で、汗とともに亜鉛が失われるため、意識的に補わないと不足しがちです。
亜鉛を摂るには?
食事で亜鉛を摂るなら、以下の食品が効果的です。
- 牡蠣(ダントツで亜鉛が多い)
- 牛肉・豚肉(赤身)
- 卵・チーズ
- 納豆・豆腐
動物性たんぱく質と一緒に摂ると吸収率が上がるため、肉・魚・卵をしっかり食べることがそのまま亜鉛補給につながります。パーソナルジムでよく「たんぱく質をしっかり摂りましょう」とお伝えしていますが、花粉症対策の観点からも理にかなっているわけです。
食事だけで補いきれない場合は、亜鉛のサプリメントも選択肢のひとつです。ただし過剰摂取には注意が必要なので、まずは食事からを基本に考えてください。
まとめ
花粉症は薬だけで対処するものという認識が一般的ですが、日頃の栄養状態が症状の出やすさに影響しているかもしれません。トレーニングで体を鍛えながら、食事でしっかり栄養を整えていくこと。それが、花粉症に負けない体づくりにもつながっています。
この季節、ぜひ亜鉛を意識した食事を取り入れてみてください!
【参考】
- Seo HM, et al. Serum zinc status and its association with allergic sensitization. Scientific Reports, 2017
- 理化学研究所「アレルギー性接触皮膚炎に亜鉛輸送体が関与していることを発見」2009
- 横浜弘明寺呼吸器内科クリニック「亜鉛のおもな特徴とアレルギー疾患を改善するはたらき」
